2014年に熊本の小学校でPTAの加入をめぐる訴訟が起こされました。
このことをきっかけに、新聞やTVなどでPTAの実情についていろんな意見が交わされるようになりました。
どうして裁判にまで発展してしまったのか、その結果どうなったのか。
PTAの在り方を考えてみませんか?
熊本PTA裁判が起こった経緯とPTAのあり方について
熊本で子供の通う小学校のPTAに強制的に加入させられ、会費を徴収されたのは不当であるとして、保護者である男性がPTAを相手取り約20万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。
裁判で争点となったのは『加入の諾否』についての説明がなされていたかどうか。
訴状によると、男性の2人の子供は2009年に転校してきたが、PTAに関する説明や同意書もなく強制加入させられ、会費を徴収されたとのこと。
12年には退会届を提出したが、認められず訴訟を起こしたそうです。
この熊本のPTA裁判で私が思うことは男性の訴えはもっともだとも思いますが、訴えられたPTAも気の毒な気がします。
PTA会長の任期は1年ですから、もしも、私が会長をしているときにこんな訴訟を起こされたら・・・と考えるとゾッとします。
というのも、ほとんどの会長は前年にならった活動をしているだけですからね。
PTAの加入は任意であるということ
この裁判で繰り返し言われていたのが、『PTAは任意団体であり、その入退会は自由である』ということ。
そもそもPTAを学校の組織と勘違いされている保護者の方も多いのではないでしょうか。
PTAとは『教師と保護者の会』であって、学校とは別の任意の団体なのです。
ですから、加入は強制ではなく、希望者のみで結成されるべき組織ということになります。
このことを知らせていないPTA団体が多いように思います。
ほとんどの学校では入学と同時にPTAの資料が配られると思いますが、入会を前提での役員の仕事の紹介や活動内容についての説明が書かれているだけで、入会の諾否についてのプリントは配られてないのが実情ではないでしょうか。
広がりをみせる任意の認識
この裁判をきっかけにPTAの加入について、マスコミでもずいぶん取り上げられ、話題になりました。
入学前から『PTAの加入は任意である』という認識を持っている保護者の方が増えたと同時に、『未加入』の選択をする方も増えているようです。
わたしの子供の通う学校では、今年から4月に『PTAの加入の諾否』を問うプリントが配られるようになりました。
これによって加入を希望しない人も楽に選択をすることができるようになりました。
こうした加入の意思を問うことで会員数が減るのではないか=役員の負担が増えるのでは?という意見も聞かれましたが、実際に非加入であった方はごくわずかで、PTAの運営に支障が出るようなことはありませんでした。
ただし、マスコミの影響もあって、役員をしたくないからと安易に『非加入』の選択をされている方も多く、PTA本部役員の方がPTAの活動について説明して、もう一度諾否を問うという努力もあったようです。
(ほとんどの方が深く考えずに『非加入』を選択していて、説明すると納得してくれたということでした)
でも、そんなことをしていたら役員の負担は増える一方なので、全体に詳しい説明をして『加入の諾否』のプリントを配るべきかもしれませんね。
私個人としては、役員が当たってもいろいろ理由を付けて断り続ける人が会員でいるよりも、本当に協力したい人たちで運営する方がなにかとスムーズに進むような気がします。
ただ、少子化によりPTA会費が減り、活動費が減っていることは事実です。さらに非加入の人が増えてしまうと、PTAとしての活動を縮小しなくてはいけなくなるかもしれません。
熊本PTA裁判のその後
気になる熊本の裁判の行方ですが
地方裁判所の判決は『原告敗訴』でした。
理由は『PTA会費を封筒に入れて支払っていた時点で入会している認識はあった』というなんともすっきりしないものでした。
その後、福岡高裁に控訴され、
- PTAが入脱会自由な任意団体であることを認識し、十分に周知すること
- 請求を放棄すること
- 訴訟費用は各自が負担すること
を条件に2017年に和解が成立しています。
結果からすると、敗訴・和解というものですが、その後全国的にPTAの加入が任意であることの認識が広がったことを考えると、この裁判の意義は十分にあったのではないでしょうか。
PTAの強制加入についてのまとめ
PTAの強制加入について疑問を持ち、裁判へと発展した熊本の問題。マスコミにも大きく取り上げられ、加入の自由性を周知させるという和解案は全国に広がりつつあります。
原告の男性は現在もPTAのおかしなところについて、是正する運動を行っています。
私の個人的な意見としては、これだけの行動力のある方なら、批判側に回るのではなく、PTA役員になっていただいて内部改革に尽力してほしかったと思うところです。
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